自分だったらこんな人に習いたいという、外国語の教師像を挙げてみることにします。

ここに描かれる教師像は、私の指導方針であり、目指すものでもあります。

私自身、できている部分もあれば、まだまだという部分もあります。

そしてもちろん、この理想像は今後変化しうるものです。

まずは、外国語学習の最初に行われる発音について。

1.教師自身の発音が良い

外国語は発音がすべてではありませんが、どうせ勉強するならば誰もが美しい発音を身につけたいと思うはずです。

音楽でいうならば、同じ曲を弾くのでも美しい音色を奏でる教師に習いたいですし、スポーツでいうならば、コーチ自身がプレーヤーとして正しいフォームを身につけていなければ指導に説得力が出ません。

もちろん、ネイティブ(母語話者)に習うのであれば音の問題は基本的にはクリアできているでしょう。

しかし、ネイティブであれば誰でもいいというわけではなくて、その場合もできるだけ(特に最初のうちは)標準語で話せる人を見つけるべきです。

その国の首都(中国であれば北京)出身であればいいというのではなく、自分の出している音を「客観的に」把握できていることが必要です。

そうはいっても、初心者には発音の善し悪し、標準的かどうかは判断できませんので、教師の出身地は参考になる情報であるといえます。

日本人の教師の場合はどうでしょうか。

かつて学習者であった(そしてもちろん今も学習者である)日本人教師の発音が良ければ、学ぶ側も「私もこんな風になりたい!」あるいは「きっと自分もなれるはず!」と励まされるかもしれません。

日本人教師は、生徒にそんな希望を与えられる存在になる可能性があります。

そして、日本人教師には、次のような利点もあります。

2.発音の仕方を日本語(生徒の母語)で細かく説明できる

英語ならばRとLの区別、中国語ならば有気音と無気音、そり舌音など、外国語と日本語では音の仕組みが大きく異なっています。

日本語に存在しない音を発するためには、いままでとはまったく違う筋肉の使い方をしなければなりません。

教師は単に自分の真似をさせるだけでなく、どうやったらその音が出せるのかを、言葉で説明する必要があります。

もちろん、発音は一番始め、入門段階で身につけるものですから、日本語で説明することになります。

唇の形、舌の位置、息の使い方などを生徒に説明し、生徒の発音を聞いて誤りを分析し、フィードバックする。

発音の指導はこの繰り返しです。決して同じ音を繰り返して、「違う」「合ってる」を判定していればいいというわけではありません。

生徒の音を聞き、「もう少し舌先を奥に、歯は軽くかみ合わせて、口はもっと大きく開いて、息をもっと強く吐く」など、その都度修正事項を細かく伝えます。

人は基本的に口の中の筋肉は自分の意思で動かせます(随意筋ですから)。

あとは、その筋肉をどう使うかを理解してもらい、実行してもらえれば、正しい発音は誰にでもできます。

正しいフォームを身につけた上で、少しずつ誤差を修正し、精度を高めて無意識でその音が出せるよう訓練あるのみ、となります。

日本人教師は、自分が学習者として発音を習得した経験があるので、生徒にとってどの音が難しいのかを理解し、相手の母語で説明しやすい立場にあります。

ネイティブ教師と日本人教師との間に優劣はありません。

外国語の教師に求められるのは、発音であれば文法であれ、自分ができること、教えたいことを言葉にして相手に伝えられるということ。

どのような指導の仕方をしているかがわからなければ、「講師歴○○年」といううたい文句もあまり説得力がありません。
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講師の岡本悠馬は鍼灸師です。
神戸市中央区の鍼灸専門治療院・南天はり灸治療院
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