中国語で「これ」や「あれ」に相当するものを「指示代詞」といいます。

日本語には「こ(れ)」「そ(れ)」「あ(れ)」の、3種類が存在しますが、中国語は“这zhè”と“那nà”の2種類だけで、日本語の「それ」は“这”で表すこともあれば“那”で表すこともあります。

自分から近いものは“这”、離れているものは“那”、そして「ど(れ)」に相当するのが“哪nǎ”です。

“这/那/哪”に“个ge”をつけて、それぞれ“这个zhège(zhèige)、“那个nàge(nèige)”、“哪个nǎge(něige)”とすることもあります。

とくに複数であることを示したい場合は“些xiē”をつけます。

これ それ あれ どれ
这 zhè
这个 zhège/zhèige
这些 zhèxie/zhèixiē
那 nà
那个 nàge/nèige
那些 nàxiē/nèixiē
哪 nǎ
哪个 nǎge/něige
哪些 nǎxiē/něixiē

「“些”はわかるけど、“这”と“这个”はどう違うの?」

という疑問が浮かぶかもしれません。

その前に、この傘のような形の“个ge”とは何かをお話しします。

“个”は「量詞」というグループに分類される語です。

 

指示代詞と「量詞」

“这个/那个”の“个 ge”は「量詞」といい、ものを数えるときに使います。

これは、日本語で数を数えるときの「1個」、「2個」の「個」に相当します(日本語では「助数詞」といいます)。

余談ですが、韓国語やインドネシア語、ベトナム語、タイ語など、アジアの言語の多くにこのようなしくみが存在します。

“个”は「箇(個)」という字の竹かんむりの片方が簡略化された、簡体字なのです。

「一人の人」、「二冊の本」と言うように、中国語でもモノを数える時は、そのモノの性質や形状によって、異なる「量詞」を使用します。

もちろん、日本語と共通するものもありますし、大きく異なっているものもあります。

 

一个人 (1人の人)

两台电脑 (2台のパソコン)

三本书(3冊の本)

 

話を指示代詞に戻しましょう。

“这个”というのは、実は“这一个”の“一”が省略された形なのです。

数学で、“1×a”の“1”が省略されて、“a”だけになってしまうのに少し似ています。

这一个人 zhè yíge rén → 这个人 zhèige rén(この(1人の)人)

文字の上で“一”が消えても、音だけは“yī”を引きずって、話し言葉では“zhèige”と読まれます。

 

“这/那/哪” と “这个/那个/哪个”の違い

モノの形状・性質を表す量詞を使って、“这个”や“那台”と表現することで、話し手と聞き手は、指し示すモノをよりリアルに、はっきりと思い浮かべることができるようになります。

反対に、量詞の助けのないハダカの“这/那/哪”は、単に話し手からの距離を指し示すだけで、具体的なモノ自体を指しているわけではありません。

具体性に欠けてしまっているため、具体的なモノを指し示す必要のある[目的語]の位置では“这/那/哪”は使えず、“这个/那个/哪个”を使わなければなりません。

また、動詞文の主語にもなれません。

我要这个/那个。(私はこれ/あれがほしい) 要:ほしい

❌ 我要这/那。

 

まとめるとこのようになります。

这/那/哪

这个/那个/哪个

“是”の文で主語になれる这是我爸爸。(こちらは私の父です) “是”の文で主語になれる这个是我的电脑。(これは私のパソコンだ)
動詞文の主語になれない☓那来了。(あれが来た) 動詞文の主語になれる那个来了。(あれが来た)
目的語になれない☓我想吃这。(私はこれが食べたい) 目的語になれる你想吃哪个?(君はどれが食べたいの?)

 

中国語文法を基礎から体系的に学ぶにあたっては、この本をおすすめします。

 

 
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