中国語なのに漢字に触れない―大学での授業

週1回、大学の第二外国語の中国語を教えに行っています。

第二外国語とはいえ、学生の心に「2年間やったけど特によくわからなかったな」という記憶が残るだけでは寂しすぎるので、結構気合いを入れて指導しています。

1年生の授業では、とりわけ発音の習得を大切にしています。最初の1ヶ月間はほとんど漢字に触れず、ひたすら発音の練習、ピンインを聞いて書き取る練習に費やされます。

もちろん定期的に小テストも行い、机の間を回って個別に指導する時間もできるだけ取るようにしています。

それを1年間続けると、一通りの音は出せるようになるので、教科書くらいは自分の力で読めるようになります。

そうして基礎を徹底的に訓練することで、固い土台ができあがります。あとはそこに思い思いの建物を作っていくだけ、という状態で2年生を迎えます。

中国語にのめり込んでいく学生は、そこからさらにどんどん自分で学んでいこうとするので、長期休みに勉強会を開いたこともありました。

中国語が好きかどうかなんて、大学に入るまでは考えたこともなかったでしょう。第二外国語で選んだのだって、そんなに深刻に考えたわけでもない人が多い。

だからこそ、できるようになって、「なかなか面白いじゃないか。悪くないな」と思って2年間を過ごしてほしい。
知らないものにも楽しいことが隠されているのだな、ということに気づいてもらえれば、僕の授業は成功したことになります。

そのために、自分自身が一番楽しむことを心がけています。
授業の方法については、また別の機会にご紹介しようと思います。