映画紹介―グォさんの仮装大賞/飞越老人院(2012)

張揚(チャン・ヤン)監督の『グォさんの仮装大賞』(原題:《飞越老人院》)という映画を紹介します。

グォさん(老葛)という老人。なかば厄介払いのような扱いを受け、住む家を義理の息子に譲った。

実の息子とも仲が悪く、天涯孤独の身となってしまったグォさんは、友人の伝手を頼って老人ホームに入居する。

入居するほかの老人たちも、単調で張り合いのない老人ホームでの生活に飽いている様子。

そんななか、グォさんの親友で老人たちのリーダー格のチョウさん(老周)が、「みんなでテレビ番組の『仮装大賞』に出場しよう」という提案をする。

『仮装大賞』というのはみなさんもご存知の、欽ちゃんのアレと同じものです。

中国語では《超级变变变》というそうな。

どうやら、この番組は中国でも知られているみたいです。

「天津で行われる予選で勝利すると、日本で開催される決勝に出場できる」ということで、退屈な日常を変えていくべく、練習を重ねる老人たち。

出し物とメンバーが決まり、練習も積んだところで、ホームの施設長と家族たちを集めてお披露目をすることに。

そこで起こったあるトラブルによって、一時は出場が危ぶまれた老人たちは、秘策を用いて夢を叶えようとする……

というストーリーです。

「高齢化」は日本と中国が共通して抱える問題です。

そして、人生の表舞台を下りたお年寄りたちの生きがいというのも大きな問題。

安全な場所で人に管理されて過ごせば、生涯をつつがなく全うできるのかもしれません。

しかし、作中のお年寄りたちはそれにNO!を突きつけ、危険を犯して未知の世界へ挑んでいく。

高齢化問題、という湿っぽくなりやすそうな題材を扱っていながら、ロードムービーの要素もあり、さわやかな感動を与えてくれる映画です。(いい涙出まっせ〜)

実はこの映画のセリフを使って購読の授業をしていたのですが、学生さんたちの反応も上々でした。

普段あまり中国映画を見ないという人にも、とっつきやすく、万人におすすめできる作品です。

ぜひ一度鑑賞してみてください。

中国語表現メモ

搭伴:ペアをつくる

记恨:恨む

不成敬意:(贈り物などを差し出すときに)つまらないものですが

排练:稽古する

料理后事:後始末をする

活蹦乱跳:元気よく跳ね回る

屎壳郎支桌子-硬撑着:(歇后语)フンコロガシが机を支える―やせ我慢をする

小兔崽子:ガキ

瞎捣乱:引っ掻き回す、混ぜ返す

有福同享,有难同当:苦楽をともにする

不减当年:(能力や容貌が)昔と変わらない

折腾:苦しむ