中国語に生まれ変わる名前

毎年ゴールデンウィークに行っている作業が、この名前カードづくりです。

自分の名前のカードも作りました。

大学1年生の授業では、4月と5月をみっちりと発音の習得に費やしています。中国語は漢字を使う言語ですが、この間はほとんど漢字に触れることはなく、ひたすら音の出し方と、「ピンイン(拼音)」と呼ばれる発音のローマ字つづりを練習してもらいます。

そして、発音をひととおり学び終えるタイミングに合わせて、各自の名前を簡体字とピンインで書いたカードを配っています。

「ゆかり」さんなど、ひらがなの名前の人には、あらかじめ自分で漢字を考えてきてもらっておきます。

早いうちに自分の名前の簡体字や、中国語読みに親しみ、名乗れるようになってほしいからです。あと、このカードを授業のときに机上に置いておいてもらうと、こちらも早く名前が覚えられて便利なのです。

中国語を学びはじめた頃、自分の名前がまったく別の字、別の読み方になってしまうことに興奮しました。

なにか、別人に生まれ変わったような気分になったものです。

ただ、「岡」という字が簡体字で“冈”になってしまうので、「げっ、何か『凶』みたいでヤだな」と思った記憶があります。

まあ、「凶」がひっくり返ったのが“冈”なので、「大吉」だと思うようにしていますが…

何十人も教えていると、国字や多音字の名前を持つ学生がちらほらいますので、少し頭を悩まされることもあります。

そういえばほかの先生方は、どうやって学生たちに名前の書き方と発音を教えているのでしょうか。

人数が少なければすぐに教えられますが、30人くらいになると時間もかかってしまいます。辞書を引く練習がてら、自分で調べてきてもらうのでしょうか。

教師が教えるとき、間違った読み方を教えてしまうと、その学生の今後の中国語人生に悪い影響を与えてしまうので、教える方も慎重に調べなければなりません。

ささやかなプレゼントを受け取ってもらう連休明けが楽しみです。