私の授業では、運用能力や文法の解説だけではなく、
できるだけ言語の背後にある「中国語話者のものの見方、世界の切り分け方」を伝えるよう心がけています。
今回は、日本を代表する中国語学者が執筆した一冊を紹介します。
中国語も日本語も、同じ漢字を使っているからこそ、両者の違いを生々しく実感することができ、日本語話者でなければ感じられない面白さを味わうことができます。両言語が互いに強く影響を与え合っていることも、少しずつわかってくるのではないでしょうか。
外国語の学習を進めていく上では、「こういう場合はこう」と、文法項目や単語をゴリゴリと “死记硬背 sǐjì yìngbeì”(丸暗記)していくよりも、その言語の発想を押さえた上で個別の項目に取り組む方が、理解が進みます。
本書は200ページあまりの新書ですが、「中国語とはどのような言語であるか」を知るにはもってこいの一冊です。
平易な言葉で本質を深く突いた解説が書かれています。