中国語の文法書では一貫して『Why?にこたえる はじめての中国語の文法書』を推すこのブログですが、もう1冊、毛色の違う本を紹介します。
『中国語 わかる文法』(輿水優・島田亜実 著 大修館書店)です。
装丁がとてもきれいな本ですね。
本書は、著者自身がまえがきで「学習のスタート地点から本書を使うには少し背伸びがいる」と書いているように、初学者が体系的に学ぶために「読む」本ではありません。
練習問題もありませんので、これだけを使って文法を学習すると、たぶん挫折すると思います。イラストなどもない、ストイックな本です。
どちらかというと、ある程度学習を進めて、中国語文法の概要がとりあえずつかめている人が、細かい事項を確認するために「引く」ための本だといえるでしょう。
取り上げられている文法項目は全部で244項目と多岐にわたり、豊富な例文とともに懇切丁寧な解説がほどこされていますので、あいまいになりがちな知識を補強するのにはこれ以上ない参考書となってくれるでしょう。
座右に置いて、気になったことを細かく調べていけば、より確かな中国語の力がつくはずです。
これだけのものを世に出してくださった著者のお二人に、心からの感謝と敬意を表します。
文法書は図書館で借りて読んでも力はつきません。
自分で購入して、線やメモを書き込んで汚して、とことんまで付き合ってはじめてその知識が自分のものになります。
ぜひお手元に置いて、頼りにしてほしい1冊です。