【満席】第1期 中国の国語教科書で学ぶ暗唱講座 1年生(上)[全15回+発音レッスン]

(7/30)一名分の空きが出ましたので、追加募集をいたします

受講者が決定しました。お申し込みありがとうございました。

「単純なことを愚直に繰り返す」という、その意義を心でちゃんと受け止めることが出来るか否かが、只管朗読の成否を握っているのです。

同じことを繰り返すなんて、飽きてしまって、時間の無駄だと考えるのは、ごく普通だと私も思いますが、そこを飽きない人が飛躍するのです。

國弘正雄『國弘流 英語の話し方』

中国の国語の教科書を使った暗唱講座をスタートします。

今回開催するのは「1年生(上)」です。教科書を(ほぼ)一冊ぜんぶ覚えます。わたしも一緒に暗唱の課題をこなします。

そして今後、1年生(下)、2年生(上)……と、継続して開催していく予定です。今回限りの受講も歓迎いたします。

子供でも知っている表現を、わたしたちは知らない

カエルの鳴き声は、中国語でどう言うかご存知ですか?

誰でも知っている昔話を、中国語で語ることはできますか?

「うんとこしょ、どっこいしょ。それでもカブは抜けません」これを中国語で言えますか?

日本語で考えてみればわかることですが、これは小学生の子供でも簡単に言えてしまう簡単な内容であるはずです。

ところが、いざ外国語でこれをやろうとすると、相当に難しいことがわかると思います。

それは当たり前のことで、大人になってから学ぶ外国語では、その言語が話される地域で暮らしたり、現地の人たちとつき合うための表現の習得が優先されます。

自己紹介をしたり、買い物をしたり、ビジネスの交渉をしたりといった、実利的な表現から覚えていかなければなりません。カエルの鳴き声が言えたところで、現実的な利益は特にないのです。

では、なぜわざわざ国語の教科書を使って学ぶのでしょうか?

外国人が日本語で「雨ニモマケズ」を言えたら……

日本語を学んでいる外国人が、何も見ずに空で

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ……

と言っていたら、ものすごく「カッコいい!」と思いませんか? 

その人の日本文化に対する理解の深さに感激すら覚えるのではないでしょうか。

これと同じことを、わたしたちにとって外国語である中国語でできるようになれば、やっぱり「カッコいい!」と思いませんか?

単に自分の意図を伝えることができるだけでなく(これだけでも相当にすごいことですが)、中国人なら誰でも知っているような作品を知っていて、さらにそれを暗唱してみせることができたら、相手は感動してくれるのではないでしょうか?

「この日本人、カッコいいな」と思ってくれるかもしれません。

少なくとも、わたし自身には「カッコいい!」と思われたいという下心があります。少し照れくさいですが、そんな下心がある自分自身のことも認めてやろうと思っています。

「カッコいい!」を否定してはいけません。

外国語だけでなく、スポーツも、楽器も、「カッコいい!」に憧れる気持ちがあるからこそ上達していくはずです。

「わたしたちにとっての『雨ニモマケズ』や『走れメロス』、あるいは『吾輩は猫である』に相当するような、中国人なら誰でも知っている教科書の名文句をスラスラと言えるようになりたい。そんな気持ちを持っている人と一緒に学びたい」 

そう思ってこの講座を作りました。

講座のコンセプト

「暗唱を軸にした総合力養成講座」です。

「ただやみくもに課題文を覚える」だけでは実力はつきません。覚える文章を完璧に理解し、文の構造や文化的背景を知った上で暗唱してこそ、力がつきます。

課題文は中国人向けの教材ですから、学習者向けに必要なピンインと日本語訳をつけ、日本人学習者がつまづきやすい語法について解説を添えます。

さらには既存の文法書とリンクさせることで確実に知識をつけるように設計しています。

さらに、暗唱した文に対応する日本語文と相互に変換する練習も行うことで、初級の段階から通訳訓練に準じた方法で能力を高めていきます。

いくら中国の教科書を使うとはいえ「日本人として中国語を学ぶ」という視点は忘れてはいけません。

声に出して覚える・知識をインプットする・即座に出力する

という、口・耳・そして脳をフル活用したトレーニングを行い、中国語を身体に染み込ませていきます。

なぜ、国語の教科書を使うのがよいのか

現代語と古典がバランスよく収録されている

わたしたちが外国人として中国語を学ぶとき、まず優先されるのは現代語です。古典はどうしても後回しになりがちで、苦手とする方も多いのではないでしょうか。実はわたしもその一人です。

中国の国語の教科書では、1年生からいきなり漢詩が登場します。中国の書店に行ったことのある方ならご存知でしょうが、《小学生必背的唐诗》(小学生が必ず覚えるべき唐詩)のようなタイトルの本が山積みにされていて、幼い頃から古典を学んでいることがわかります。

とはいえ、小学生の教科書ですので、いきなり大量の漢詩や古典を読まされるわけではなく、課と課の間に少し挿入される程度の分量から始まります。

《语文 一年级 上》p.16

これくらいの量であれば、われわれ外国人であっても、本文を学ぶついでに「エイヤッ」と一緒に覚えてしまうことができます。

中国語という長い歴史をもつ言語を学ぶ以上、高いレベルに到達するには教養としての古典の知識が欠かせません。

一般に使われている現代語の合間に、ちょっととっつきにくい古典を、小学生レベルから少しずつ学んでいけることが、国語の教科書を使う利点なのです。

中国(人)の価値観がわかる

国語教育というのは、単なる読み書きのトレーニングではありません。

その国が何を重視していて、どんなことを国民に知ってほしいのか、そしてどんな国民になってほしいのか、という意図が必ずあります。

中国のように、政治が強い力を持っているような国であればその傾向はさらに顕著になります。

たとえば、一年生の教科書には最初に《上学歌》という歌が掲載されています。ここで引用しましょう。

太阳当空照,花儿对我笑。

小鸟说:“早,早,早,你为什么背上小书包?”

我去上学校,天天不迟到。

爱学习,爱劳动,

长大要为祖国立功劳。

[日本語訳]

太陽がお空で輝き、花が私に笑いかける。

小鳥が「おはよう、どうしてカバンを背負っているの?」と聞いてきた。

私は学校に行く。毎日遅刻せずに。

勉強を愛し、労働を愛する。

大きくなったら祖国のために功績を立てる。

语文 一年级(上)p.4

と、こんな風に、どんな人に育ってほしいのかが(露骨なほどに)現れています。これを1年生の最初に持ってくるところがすごい。

ところどころにこのような思想が垣間見えてくるので、日本人としては気になることもあるかもしれませんが、それもまた、相手を知ることです。

「そうか、こういうことを学んで大人になっていくのだな」

ということを知るきっかけになるでしょう。

もちろん、国語の教科書なので政治思想ばかりが強調されているわけではなく、普通の文学作品や説明文などが内容の大部分を占めています。

(あまりに思想性が濃いものは単純におもしろくないので飛ばします)

文学、科学、社会(地理・歴史・政治)を一挙に学べる

日本の国語の教科書でも、物語などの文学ばかりが収録されているのではなく、生き物の生態や気象などの科学に関する解説文や、社会に関する内容も収録されていることを覚えておられると思います。

中国の教科書でもそれは同じで、生物や天文といった科学に関する内容の作品や、歴史や政治といった社会についての作品も数多く収録されています。

科学や歴史、政治に苦手意識を持っている方でも、国語の教科書に収録されている程度の短い記述であれば読めてしまいます。

社会については中国の地名もたくさん出てきますし、毛沢東や周恩来といった著名な政治家も登場します。当然ながら日本との戦争の歴史についての記述もあります。

いくら日本語が上手でも、日本で一番大きな湖の名前や、徳川家康が何をした人なのか、明治維新とはどのような出来事だったのか、ということを何も知らなければ、知的な話はできません。これとまったく同じことです。中国(人)とつき合う上で、社会的な知識は必須の教養なのです。

このような記述に触れることで、中国社会についての基本的な知識を得られることも、国語の教科書を使うことの利点であるといえます。

一日23文字、5ヶ月で教科書(ほぼ)一冊を暗唱

今回は第1期ということで、最初の最初、1年生(上)の教科書を使います。分量もあまり多くありませんので、全15回(約5ヶ月間)でほぼすべての文章を暗唱してしまいます。

一回あたりに暗唱していただく文字数は、平均225文字。これを5ヶ月間(=約150日)に均すと、1日あたり約23文字となります。スモールステップで挫折させません。

また、毎週の開催ではなく定期的に休みを設けます(原則、月3回の開催)。暗唱が追いつかなかったり欠席した場合に、過去の課題を復習するための余裕をもたせるためです。

1年生(下)、2年生(上)、2年生(下)……と、レベルが上がっていくごとに負担は増えていきますが、登山家が少しずつ薄い空気に体を慣らしていくように、潜水士が少しずつ水圧に体を慣らしていくように、少しずつ負荷に耐えられるように調整していきます。

もちろん、上の学年の教科書に入ると、15回だけで1冊まるまる覚えることは難しくなってきますので、こちらで課題文を選定し、適度な分量に調整していきます。

今回の「1年生(上)」は、今後さらにレベルを上げていくための準備期間だとお考えください。

講座はすべて独立していますので、今回だけの参加もOKですし、1年生(下)からの参加も歓迎いたしますが、できるだけ継続して受講されることをおすすめします。

今回の1年生(上)を修了された方は、今後開催予定の1年生(下)の講座に優先枠でご案内します。

グループで暗唱を行うメリット

暗唱というのは孤独な作業です。一人で何度も何度も同じ文章を読み、覚えているかどうかを確認します。

必要性を感じつつも、一人ではすぐに挫折してしまったという経験をお持ちの方も少なくないはずです。

ここにこそ、グループで行う大きな意味があります。期日までに課題を確実に仕上げて皆の前で披露する、という「追い込まれる」経験によって人は成長します。資格試験や発表会、何でもそうです。「他者の存在」と「締切」によって人は成長を促されます。

とはいえ、学習の場は「間違えないかどうか」目を光らせる場ではありません。皆が皆の上達を願い、健闘を称え合う場にしましょう。

「今まで暗唱に挫折してきたから、自分には無理かも」と思っている方にこそ自信を持っておすすめします。

通訳トレーニング

暗唱がメインの講座ではありますが、フラッシュカードを用いた通訳トレーニングも入れていきます。

これは日本語と中国語を瞬時に変換する、いわゆる「瞬間作文」と呼ばれる訓練で、通訳の訓練の一環として広く実施されています。

ただ単に暗唱するだけでなく、対応する日本語をすぐに頭の中から呼び出せるようにすることで、日中両言語のレベルの底上げを図ります。

対象

中国語の学習経験があり、ピンインが読めて、基本的な文法が理解できる方。
(中国語検定4級・HSK3級程度から)

講座の趣旨を理解し、毎回確実に課題をクリアする意志のある方。

募集人数

10名

(お申し込みが10名を超えた場合はこちらで選考します。最少開講人数は6名です)

※先着順ではありません

教材

《语文 一年级 上册》(人民教育出版社 2016)

中国の小学校で実際に使われている教科書です。オンラインで公開されているものを利用します。

事前にこちらのサイトで内容を確認してみてください。

オリジナルの追加教材で文法項目も同時習得

今回使用するテキストは、中国人が学校で学ぶための教科書なので、細かな解説がついていません。当たり前ですが、日本語の解説もありません。

これを補うために、受講者の方にはこちらで作成したオリジナルの教材をお送りします。

追加教材にはピンイン、本文の日本語訳、文法や語法などの表現のポイントを盛り込みます。

これにより「わけもわからずただ暗唱させられている」ということがなくなり、「正確に文法・語法を理解した上で、口と耳を使って言葉を習得する」という学び方が可能になります。

文法項目については『Why? にこたえるはじめての中国語の文法書(新訂版)』の第何課に相当するのかを記載します。予習・復習の際にも迷いなく学習を進めることができます。

この追加教材をファイリングしておけば、ずっと使える中国語教材として手元に置いておくことができます。

後述する追加の発音レッスンを受講される方は、指定の教科書を各自でご用意ください。

日程とカリキュラム

年月日内容
1’22 9/1オリエンテーション・自己紹介
上学歌 / 天地人 / 金木水火土 / 口耳目 / 对韵歌 / 一片两片三四片 / 咏鹅
29/8说话 / 在一起 / 过桥 / 绕口令
39/15秋天 / 小小的船 / 江南 / 四季
49/29小松鼠找花生
510/6画 / 大小多少 / 小书包 / 日月明 / 升国旗
610/13拔萝卜
710/27影子 / 比尾巴 / 青蛙写诗
811/10中間テスト
911/17悯农 / 雨点儿 / 古朗月行 / 谁会飞
1011/24明天要远足 / 大还是小
1112/8项链 / 种瓜得瓜 / 雪地里的小画家
1212/15猴子捞月亮
1312/22乌鸦喝水 / 风 / 春节童谣
14’23 1/5小蜗牛
151/12最終テスト
日程、カリキュラムは変更することがあります

時間はすべて木曜日19:30〜20:30です。

日程は変更することがあります。その場合は別の日に振替をします。

欠席した場合は録画を視聴できます(ダウンロードは不可、一定期間後に削除します)。

学習グループで仲間と切磋琢磨する

受講者の皆さんをグループチャットにご招待します(参加は任意です)。質問をしたり、雑談の場としてお使いください。もちろんわたしもその場で交流します。

暗唱という勉強は一人でコツコツと積み重ねていくものですが、仲間がいることで孤独に陥らない、飽きない仕組みをつくっています。

用意するもの

PCまたはタブレット

全員の顔を見つつ、広い画面で行っていただきたいため、スマートフォンではなくPC/タブレットでのご参加をお願いします。

遅延のないインターネット環境

滞りなく講座を進行するため、高速インターネット回線での参加をお願いします。

(参考までに、有線で接続するとネットの速度が大幅に上がります。わたしは重要な通信のときはWi-Fiではなくルーターのある部屋から10mのケーブルを引いています。Wi-Fiの速度に不安のある方におすすめです)

zoom

マイクのミュートやカメラのオンオフ操作が確実に行えるようにしておいてください。

ヘッドセット、イヤホンマイク等

PCやタブレット本体のスピーカー・マイクではノイズが大きくなりやすいためです。

お茶や水などの飲み物

終始、声を出して練習することが求められるレッスンです。

手元に飲み物を用意し、適宜のどを潤すようにしてください。わたしもそうします。

受講にあたってのお願い

参加にあたっては、以下の項目をお守りください。

本名・顔出しで参加してください

同じグループで練習する方々は、ともに進歩するための仲間です。

お互いの信頼関係をつくるためにも、本名・顔出しでのご参加をお願いします。

レッスンは録画します

参加者の振り返りや、欠席者のキャッチアップのために一定期間提供します(ストリーミングのみでダウンロードはできません)。

アンケートへのご協力をお願いします

第15回の終了後に、アンケートにご協力くださいますようお願いします。

遅刻・欠席・途中退席された場合も、返金、振替をしません

グループレッスンという性質上、時間通りの開催にご協力をお願いします。

主催者側の原因(急病等)で講座を中止・延期する場合には返金、振替をします。

自分だけではなく、全員の上達を願ってください

縁あって集まった仲間と、切磋琢磨してお互いに良い影響を与えあいましょう。仲間の上達は自分の上達につながります。

追加講座:発音レッスン(優待料金あり)

これから暗唱をしていく上で、最も気にかけなければならないことは「正しい発音ができているかどうか」です。

通じない音で繰り返し音読してしまうと、間違った音が頭に刷り込まれてしまい、どんどん記憶が強化されていってしまいます。その結果、後から改善させることが難しくなります。

発音に不安を持っている方のために、暗唱講座と並行して発音レッスンを行います。少しでも心配な方は参加されることを強くおすすめします。

こちらのグループレッスンの方式に準じて行います。

教材

『日本人のための 中国語発音完全教本』(盧尤・アスク出版)

第1回までに各自でご用意ください。

発音レッスン受講料

¥15,000

(暗唱講座参加者のための特別料金 90〜120分×5回・税込) 

レッスン時間は参加者の数に応じて調整します。最少開講人数は5人です。

受講者数レッスン時間
(途中休憩あり)
5〜7人90分
8人100分
9人110分
10人120分

暗唱講座の中でも、希望者には必要に応じて発音についてのアドバイスをしていく予定です。今はまだ発音に自信のない方も安心してご参加ください。

発音レッスン日程

第1回8/28(日)19:30〜
第2回9/18(日)19:30〜
第3回9/25(日)19:30〜
第4回10/9(日)19:30〜
第5回10/16(日)19:30〜
日程は変更することがあります

暗唱講座 受講料

暗唱講座+発音レッスン:¥67,500(税込)

暗唱講座のみ:¥52,500(税込)

メールにてお伝えする銀行口座に一括でお振り込みをお願いします。お振込手数料はご負担ください。

申し込み方法

満席となりました。たくさんのお申込みありがとうございました。

お申し込みが定員を超えた場合は(僭越ではありますが)こちらで選考いたします。

講座の趣旨を理解してくださり、5ヶ月間一緒に努力を続けられると感じさせてくださった方を優先的にご案内いたします。

最後に

今回使うのは、せいぜい100ページちょっとの、6歳の子供が半年で終わらせてしまう程度の教科書です。本気を出せば誰にだって覚えてしまえるものでしょう。

でも、多くの人はその“本気”すら出さないまま、学習歴だけが長くなっていきます。そして、人から「何年勉強しているんですか?」と聞かれて、照れながら「一応、○○年です……」と答えることを繰り返します。俗に言う「さまよえる(初)中級者」です。

どこかのタイミングで、浴びるように集中的に聴き、読み、暗唱することで、「さまよえる(初)中級者」を脱することができます。

ただ、誤解のないように先に言っておきますと、教科書一冊覚えたところで、いきなり中国人と同じくらい流暢に話せるようにはなりません。覚えたことがそのまま会話の中に出てくるような、都合のいいこともめったに起こりません。すべては「これから」に向けた準備運動であり、プロローグです。

でも、このプロローグを終えただけでも、「教科書を一冊覚えるまで努力した」という記憶が、あなたのこれからの中国語人生を力強く支えてくれるはずです。手に入るのは、その記憶です。

「自分はやれた。やりきった」

最後にそう言えたという記憶を作るための15回です。その記憶を核にして、これからの中国語学習を進んでいってほしいと思っています。

今回の講座を乗り切った人は、次に待ち受ける試練もきっと乗り越えていけるでしょう。そのような地道な努力を繰り返していくうちに、今の自分では想像もしていなかった場所にたどり着くはずです。

わたしも“そこ”を目指している人間の一人です。わたしも一人の参加者として、一緒に暗唱に取り組み、時間に追われながら覚える苦しさと、そして「やりきった」という記憶を、あなたと分かち合いたいと思っています。

あなたのご参加をお待ちしています。

外国語を勉強しようとする人に対するもっともたちの悪い「教え」は、「単なる知識だけではいけない」とか「単なる暗記だけではいけない」などという説教めいた言い方です。

いったいいつのころから、暗記や暗誦など「覚える」という行為がまるでいけないことでもあるかのような言い方が流行するようになったのでしょう。

天才はいざ知らず、私たち凡人にとっては、勉強と知識を覚えるという行為とのあいだには不可分な関係があったはずです。外国語の勉強の場合はなおさらです。

日下恒夫