2023年10月から通訳学校の「サイマル・アカデミー」で中国語通訳を学びます。
入る前からここで書いてしまうことに躊躇もしました。勉強についていけなくて中退してしまったりしたりしたら、ほんまにカッコ悪い。
でも、上手くいっても失敗しても、誰かの役には立つかもしれないので、記録しておくことにしました。
背中を押してくれたブログ
これまでずっと、大手やメジャーどころを避けてきた自分が通訳業界最大手のサイマルで学ぼうと思った理由のひとつが、同時通訳者/英語・通訳講師として活動されている山下えりかさんという方のサイトです。
https://www.erikayamashita.com/
山下さんはサイマル・アカデミーの英語コース出身で、サイト内のブログで全40回(+α)にわたって「私が通訳になるまで」という記事を書かれています。
現役で通訳者として活動されている山下さんが、ご自身の通訳学校での体験を振り返って書かれています。
リアルタイムではなく、記憶で書いた記事でここまで当時の心情を丁寧に描写できることに驚きました。それだけ熱意をもって、真剣に取り組まれてきた証拠だと思います。
これだけの記憶力と言語化能力があるからこそ、今現在プロとして活躍できているのでしょう。本当にすごい。
一切のこだわりを捨てる
特に感銘を受けたのが、「【私が通訳になるまで25】通訳学校を最後まで続けるコツ」という記事のこの部分です。
山下さんが入学を決めたときに定めた心構えを引用します。
1.学校の方針や講師の先生方の言うことを愚直に守りついて行く。特に小松先生の言うことには一切の疑問を持たない。
2.全てのプライドは学校に持ち込まない。
3.クラスメイトと自分を比べない。人の実力に嫉妬しない。自分が一番の若輩者という意識を常に持ち、クラスメイトの実力をきちんと認め、敬意を払い、学ぶ。
4.英語を好きでい続けること。
5.「低空飛行でもいい。墜落しないことが大事。」
特に1と2は、自分のように学習歴だけは長くて、人に教えていたりするような人間が陥りがちな罠です。一切のこだわりを捨てて虚心に学ぼうと思いました。
ブログの内容があまりにも素晴らしいので、私は一気に40回分を読破し、サイマル・アカデミーに入るという気持ちを固めたのでした。
通訳学校に入っただけでプロになれるわけではないのは承知の上です。私が入るのは中国語コースで、しかもオンラインクラスなので、同じような経験ができるとは限りませんが、ここで書かれているような先生方がいて、山下さんのような志の高い学習者のいる環境なら、自分も頑張れるかもしれません。
山下さんにブログを読んだ感想をお送りしたところ、丁寧なお返事まで頂いてしまいました。
いつかどこかで、通訳としてお会いする機会があればいいなと思っています。
そして、わたしがこうして学習記をつけておこうと考えたのも、中国語通訳の学習について細かく書かれたブログがあまり見当たらないためです。
自分の筆力ではここまですごいものは書けませんが、誰かの役に立つことがあるかもしれません。
(おまけ)嬉しかったこと
山下さんは中学生のときに教科書の丸暗記で学習に臨んでいたそうです。
「【私が通訳になるまで2】スピーチコンテストと自己流勉強法」という記事からいくつか引用します。
色々と考えた結果出した答えは、「レッスンを全部丸暗記して当日は教科書を見ないでやる」でした。
英語の教科書は各レッスンごとに4~5個のパートに分かれていました。
中学生レベルとは言え、そこそこの量があります。点数でも発音でも、他の部分では自分より上がいる。だから誰もやらないことをやって、やる気を見せる。
中学生の考え方としては少しいやらしい気もしますが、これが私の作戦でした(笑)
(改行は筆者(岡本)による)
スピーチコンテストをきっかけに、教科書のそれ以外のレッスンも暗記をするようになりました。
(中略)受験勉強が終盤に差し掛かる頃には3年間の英語の教科書すべてを暗記していました。
どの学年のどのレッスンのどのパートにどの単語が出てくるかまで、完璧に暗記していたと記憶しています。
(改行は筆者(岡本)による)
教科書の中身まではさすがにもう覚えていませんが、今でも中学校3年間の英語の教科書は捨てずに取ってあります。
中学を卒業してからもう十数年、ほとんど中身を見ることもありませんが、そこにあるだけで初心を思い出させてくれる私の宝物です。
この中学の教科書3年間分丸暗記は、この先の私の英語学習にとって何よりも大切な基礎となりました。
(改行は筆者(岡本)による)
自分も、大学生のときは教科書を暗唱していましたし、今も仲間を集めて中国の国語の教科書を丸暗記する、という取り組みをしています。
これを読んで「やっぱりすごい人はやってるじゃん、丸暗記」と思って、嬉しくなってしまいました。
これからも暗唱は学習の根幹をなすものとして、ずっと続けていくつもりです。(11月ごろに来期の募集をするよ!)