
「比較1 “比”の使い方」で、基本的な比較の文が作れるようになりました。
そうすると、気になってくるのが比較した結果の「差」です。
「コレはアレより安いのはわかった。じゃあ、一体いくら安いのさ?」
という具合に、「どのくらい」差があるのかを尋ねたくなってきます。
消費者は具体的な数字を求めているのです。
「差」は最後につけくわえるだけ
まず、「比較 1」で学んだ基本の比較文を作ってみましょう。
「これはあれより安い」 です。
「安い」は“便宜 piányi”といいます。
这个 比 那个 便宜。
Zhège bǐ nàge piányi.
(これはあれより安い)
となるのでしたね。
そして、どのくらい安いのかという「差」は、後ろに置いてやればいいのです。
ここでは、「50元」安いということにしておきましょう。
中国の通貨である「元」は、話し言葉では “块 kuài” といいます。
这个 比 那个 便宜 五十块。
Zhège bǐ nàge piányi wǔshí kuài.
(これはあれより50元安い。)
語順のしくみをまとめると、こうなります。
主語 “比” 比べる相手 形容詞/動詞 差
这个 比 那个 便宜 五十块
例文を見てみましょう。
姐姐 比 我 大 四岁。
Jiějie bǐ wǒ dà sì suì.
(姉は私より4歳年上だ。) 大…歳が上である
这个 苹果 比 那个 重 二十克。
Zhège píngguǒ bǐ nàge zhòng èrshí kè.
(このリンゴはあっちより20g重い。) 克…グラム
数字にならない差
「温度計を見たわけではないけれど、昨日よりちょっと暑い」
というように、差はあるけれど数字をはっきり言わないこともよくあります。
あるいは、「おいしい」のように、そもそも差を明確な数字にできないものもたくさんあります。
そんなときの表現です。
差が大きいとき
まず、差が大きいときには後ろに“得多 de duō”をつけます。
「北京ダック」という名前ででおなじみのアヒルの丸焼き、中国語では “烤鸭 kǎoyā” といいます。“烤”は「火であぶる」、“鸭”は(カモではなくて)「アヒル」という意味。
「やっぱり本場の方がおいしい!」と言いたいときはこうです。
中国 的 烤鸭 比 日本的 好吃 得多!
Zhōngguó de kǎoyā bǐ Rìběn de hǎochī de duō.
(中国の北京ダックは日本のよりずっとおいしい。)
中国 的 人口 比 日本 多 得多。
Zhōngguó de rénkǒu bǐ rìběn duō de duō.
(中国の人口は日本よりずっと多い。)
差が小さいとき
次は、差が少ない場合です。
この場合は、“一点儿 yìdiǎnr” や “一些 yìxiē” を使います。
从 日本 去,韩国 比 中国 近 一点儿。
Cóng Rìběn qù,Hánguó bǐ Zhōngguó jìn yìdiǎnr.
(日本から行くなら、韓国は中国よりちょっと近い)
近…近い
我 爸爸 比 妈妈 小 一些。
Wǒ bàba bǐ māma xiǎo yìxiē.
(父は母より少し年下だ。) 小…歳が下である
比較の文で“很”は使わない
差が大きいからといって、“很”を使ってはいけません。
“比”を使う比較の文で“很”の使用は禁止です。
※中国 比 日本 很 大。
→中国 比 日本 大 得多。 (中国は日本よりだいぶ大きい)
それでは練習問題です。
練習問題
次の語を、日本語の意味に合うように正しい順に並べ、発音しなさい。
(1)块,那,把(bǎ),这,二百,比,把,贵,椅子(yǐzi)。
把…椅子を数える量詞
(この椅子はあっちより200元高い。)
(2)昨天,低(dī),的,气温(qìwēn),比,五,今天,度(dù)。
气温…気温
(今日の気温は昨日より5度低い)
(3)夏威夷(Xiàwēiyí),日本,暖和(nuǎnhuo),比,多,得。
夏威夷:ハワイ 暖和:暖かい
(ハワイは日本よりずっと暖かい。)
(4)的,今年,一点儿,凉快(liángkuai),夏天(xiàtiān),去年,比。
凉快:涼しい
(今年の夏は去年よりちょっと涼しい。)
解答
(1)这把椅子比那把贵二百块。
(2)今天的气温比昨天低五度。
(3)夏威夷比日本暖和得多。
(4)今年夏天比去年凉快一点儿。