サイマル・アカデミー中国語通訳コースに入って1ヶ月が経ちました。第4回の授業が終わったところです。
今も授業が始まる前は緊張がすごくて、始まる前の5分間は努めて深く、大きく深呼吸をし、脳が酸欠にならないようにしています。
別にガンガン詰められたり、プレッシャーをかけられているわけではありませんが、緊張で血の気が引いてしまうのか、メモを取る手が震えてペンが動かせなくなることがあるので、暖房までつけて身体が冷えないようにしています。
わたしが所属している「本科Ⅱ」の授業の難易度ですが、今のわたしには丁度いいと感じています。
入り組んだ原文から訳文をひねり出すのには苦労します。単純な文をつなぎ合わせてどうにかこうにか情報を伝達しているという状況です。
ただ、訳出そのものでまったく手も足も出ない、ということはあまりないので、授業の予習はできるだけ周到に、細かく行って、基礎トレーニングとしてはとにかく頭の中に情報を保持する「短期記憶力」の向上と、さらに基礎の勉強として読書を続けていくつもりです。
さて、今わたしがいるクラスは10人で、日本人も中国人もいます。
余談ですが、「日本人」「中国人」という言い方を避けてか、ある先生が「日本語ネイティブ」「中国語ネイティブ」という意味で「日ネ」「中ネ」とおっしゃっていました。
今期から入ってきた転入生のわたしには最初何を言っているのかわからず、先生が「中ネの方は◯◯」と言っているのを「中年の方は◯◯」と言っているのかと思いました。
話を戻しますと、10人という人数は他のクラスに比べると多い方だそうです。一回の授業が2時間なので、単純計算で自分に割り当てられる時間は12分しかないということになります。
なので「じっくり、ゆっくり」というわけにはいきません。オンラインなので、授業の前後にクラスメイトや先生と雑談、ということにもなかなかなりません。(「いつか対面授業にならないかなー」と思っていて、入学前に少しだけ要望も出しました)
通訳学校というと「訳文について突っ込んだ検討をしたり、対象言語と起点言語の違いについて先生やクラスメイトと議論し合う、ということがたくさんあるのかな?」
と思っていました。もちろんそういうのもあるのですが、人数が多いのとオンラインであるというのとで、ひたすら課題をこなしていく、というのが主な進め方になっています。(複数の先生がいらっしゃるので、やり方はいろいろですが)
話を聞いていると一つ前の「本科Ⅰ」ではわりとじっくりと教えるようなこともあったようなのですが、わたしが所属する本科Ⅱでは、もう手取り足取りの指導はないようです。
「できるだけ現場に近いような緊張感で授業を進めていきたい」という考えのようです。
と、なんだか不満を書いているように読まれたかもしれませんが、通訳学校のことを全然知らないわたしは、特に不満を抱いているわけではなく、むしろクラスの方針には納得しています。
手取り足取りの指導がしてほしければ中国語教室に通うなりプライベートレッスンなりを受ければいいわけですし、今ならAIでもオンラインレッスンでも動画でも、学ぶ環境はいくらでも用意できます。
ここに集まっている私たちは職業として通訳をしたいと志しているので、とにかく自分のことは自分でなんとかする、ということに尽きると思います。
初めからそのような心構えで臨むつもりではいましたが、なおのこと、本科Ⅱの授業は「授業」というよりもむしろ「仕事」として臨むという姿勢が正しいだろうという認識を強くしました。
「仮にこれが本当の現場だったとして、先生、あるいはコーディネーターの方は自分を起用するだろうか?」と考えます。
学生や、社会人経験の浅い若者ならともかく、それなりに学習を重ねてきて、人様に教えるようなことまでしている私のような人間がそういう心構えでなければ、いつまでも「受講生」の立場からは脱却できなさそうです。
「1年か2年くらいかけてじっくり学んで、同時通訳科への進級を狙おうか」
と考えていましたが、「1学期(半年)で本科Ⅱを卒業して、同時通訳科に進級しよう」という覚悟が決まってきました。
先生に「良い評価をつけてもらう」というよりも、先生に「コイツと一緒に働いてもいいな」と思ってもらわなければなりません。
やるべきこと、できることは自ずと決まってきます。
まだ本科Ⅱは始まったところですが、同時通訳科への進級が判定される期末試験まで、あと116日しかありません。道は厳しい。
別に勝算があるわけでもありません。
果たして、どこまでいけるでしょうか。
(わたしのブログの記述がサイマル・アカデミーの授業すべてではないことにご留意ください。英語と中国語、あるいは同じグレードのクラスでも、人数や受講生の属性などによっても大きな違いがあることと思います。この記事はあくまでもわたしの主観で書いております)