“听写”(ディクテーション)の教材に―『中国語解体新書』

『中国語解体新書』(丸尾誠・李軼倫/駿河台出版社)という本を購入しました。

「本書の使い方」より抜粋。

本書は1冊で効率よく、読解・語彙・文法・リスニングが学べるよう構成されています。基本的な語彙と文法事項が、自然な中国語を読むことで無理なく学習できます。1つの文章を徹底的に活用して、本物の中国語の力を身につけましょう。

一冊でひととおりの学習ができてしまうという本です。

発音などの解説はありませんので、初級段階の学習を終え、これから中級へ、という学習者に向いているかなという印象です。

実際のページはこのようになっています。

p.94

全編がこのような40字〜80字ほどの短い文章や会話になっており、学習すべき文法項目が盛り込まれています。

上の画像のページだと、義務・必要性を表す助動詞の“要”ですね。

MP3対応のCD-ROMもついていますので、音声を聞きながら学習することができます。

短くて、きちんとまとまりの文章が大量に収録されていますので、毎日の学習や音読、シャドーイングの練習にぴったりです。

このくらいの短い文章は、初中級の学習者が“听写”(書き取り/ディクテーション)の練習をするのに適しています。

“听写”(書き取り/ディクテーション)というのは聞こえてくる音声をそのまま一字一句紙の上、あるいはPCで書き取っていくとう学習法のことで、慣れないうちは非常に困難に感じます。

「聞き流し学習」であれば、「わかっているもの」と「わかっていないもの」があいまいなままで済みますが、書き取ってしまうとわからない部分は空白になってしまいますので、自分の実力をそのまま突きつけられることになります。

つらい。

でいも、この練習を繰り返していくと、確実に上達します。

わたしも大学2年生のときに、先輩にアドバイスされてひたすら“听写”に取り組んでいた時期がありました。そのおかげで、大きな壁を突破できたことを覚えています。

本書の文章は短く、文法項目ごとに学習できますので、毎日少しずつ“听写”をするにはうってつけです。

Twitterでも告知したのですが、7月から「中国語独学サポート」という学習支援サービスをはじめました。これは、わたしが手取り足取り教えていくのではなく、一人ひとりの学習者の状況、課題、目標などを聞き、適切な学習プランを提案し、毎日の学習を見守るというものです。


診療や大学での授業、翻訳など、ほかの仕事もあって(恥ずかしながら)多忙なため、あまりたくさんの生徒さんをとることはできないのですが、おかげさまで多数のお問い合わせをいただいています。

初級から中級へステップアップしたいという方がいれば、使用する教材の候補に挙げてみたいと思います。