さっそくですが、なぞなぞです。わかりますか?
問題
锤子锤碗锤不破,为什么?
(カナヅチで碗を叩いたが、割れなかった。なぜ?)
碗破了(碗が割れた)
解説
前回、前々回は複数のなぞなぞを紹介しましたが、今回は解説が長くなりそうなので、ひとつだけです。
今回のなぞなぞのポイントは、“锤不破”です。問題文でミスリードしているのです。
どのようなミスリードかというと、“锤不破”の“锤”を動詞として扱い、「(カナヅチで)打っても、(碗が)割れない」という結果補語の可能形(の否定)にしています。
“锤”すれども、“破”に至らず(=锤不破)
ということです。
問題文を正確に読むと、
「カナヅチで、碗を叩いても(碗が)割れなかった。なぜ?」
となります。
答えを見てみると、“碗破了”とあります。「碗は割れた」となっています。
どういうことかというと、今度は“锤不破”の“锤”を、名詞として扱い、
カナヅチは壊れない(=锤不破)
と、読み替えています。カナヅチは壊れないのだから、碗が割れたに決まってる、ということになる、意地悪問題です。
このように、中国語では、特定の用途に使う道具とそれを使って行う動作を同じ字で表すということがよくあります。
問題文と答えで“锤”を別の品詞にすり替えてしまう、という芸当で、語形変化のない中国語ならではのなぞなぞになっている、というわけです。