
外国語は、初級のうちは教科書を使って体系的なカリキュラムにしたがって勉強していく方が効率がいいのですが、ある程度の水準になってくると、勉強の仕方は自分の好みで選んでもよいと思います。
参考書ばかり使った勉強だと、どうしても味気なくなりがちなので、映画や小説などの物語を通して学習することで、楽しく勉強することができます。
物語作品は、読み手の感情が触発されますので、さらに印象が強くなり、ある表現が出てきた場面が記憶に残りやすくなるという利点があります。
わたしは原書と訳書を並行して読む、という方法をおすすめしています。
そのなかでも、絵本は筋書きがシンプルで、優れた作品が多いジャンルなので、中国に行ったときには必ず絵本もチェックするようにしています。
日本を代表する絵本作家の五味太郎の作品に『言葉図鑑』というものがあります。
これは、「図鑑」というタイトルのとおり、いろいろな言葉がかわいい絵とともにぎっしりと描かれている本で、ずっと眺めていても飽きません。
シリーズになっていて、それぞれ「うごきのことば」「なまえのことば」「かざることば」などのテーマに沿った言葉が収録されています。
この本は中国でも《语言图鉴》というタイトルで翻訳出版されていて、シリーズ10冊全部ではありませんが、セットで販売されています。
この本を日本語・中国語でそれぞれ用意すると、比べながら読んでいくことができます。
「みつける」は“发现”。
「たずねる」は“询问”。
「さす」は“指路”という訳語があてられていますが、道案内をしている場面なので、具体的な“路”という目的語が必要だということがわかります。
五味太郎にかぎらず、日本人作家の絵本はたくさん翻訳されていますので、あなたのお気に入りの作品も中国語版がみつかるかもしれません。
わたしは『100万回生きたねこ』を日本語・中国語・ロシア語で持っています。
ロシア語もできるようになりたいな。