皆が本を読まないのはチャンス

「人々が本を読まなくなった」

「出版業界の危機」

「電車内はスマホを使う人ばかり」

そんな嘆きの言葉が聞かれるようになって、ずいぶん経ちます。

ぼくが学生の頃から(もしかしたらもっと昔から)同じことが叫ばれていました。(当時はスマホではなく「ケータイ」でしたが)

この勢いが変わることはないでしょう。

読書人口の減少とともに、出版社もたくさん倒産し、書店は減るでしょう。

人々は、便利で、読みやすくて、しかも無料の情報を求めて、スマートフォンを駆使してネットの世界に入り浸るようになるでしょう。

しかし、書籍派にとっては「成り上がり」のまたとないチャンスであるともいえます。

別に佐藤優の受け売りではありませんが、本ほど情報が上手くまとめられ、情報の質が保証されているメディアはほかにありません。

著者と編集者は、おかしなものを世に出さないために推敲、校正をくり返し、たいへんな労力を使って一冊の本を作り上げます。

確かに「まとめサイト」などに比べれば簡便性に欠けるかもしれません。

お金もかかるかもしれません。

しかし、その情報を集め、選別し、執筆する作業にはとてつもない労力がかかっています。

本ほど安いものはありません。

ネットでは、いろいろな人が質の高い情報を無償で提供してくれています。

それでも、出版物の信頼性には遠く及ばないでしょう。

ウェブサイトやブログから書籍になるケースも多いですが、そっくりそのまま紙にしてしまうのではなく、編集・校正という作業を経なければ本にはなりえません。

もちろん、スマホで有料情報を購読している人もいるでしょう。

大きな価値を持つ無償の情報もあるでしょう。

絶対スマホがいかんというのでもありません。

わたしも毎日のようにお世話になっています。

しかし、こと何かの分野を本気で学習しようとするのであれば、これほど便利な「本」というものを利用しない手はありません。

スマホの普及にともなって、読書人口はさらに減り続けます。

あなたのライバルたちは、本という素晴らしい武器を自ら手放そうとしているのです。

では、わたしたちはどうするか。

決まっています。

素晴らしい武器を捨てずに、持ち続けるのです。

なんだか了見の狭い考え方ですが、皆が本を読まなくなれば、本を読む人との力の差は大きく広がってきます。

いまはやっぱりいい時代だと思います。

幸いにして出版社も書店もまだ健在で、スマホでも紙の本でも、潤沢に利用できるのですから。

人がスマホでどーでもいいニュースや記事にうつつを抜かしている間に、わたしたちは厳選された珠玉の活字を読むことにいそしみましょう。

だからあなたもこんなブログ読んでないで早く読書しなさい。