映画紹介―妻への家路/归来(2014)

張芸謀(チャン・イーモウ)監督の『妻への家路』(原題《归来》)という映画をを紹介します。

主演は、張芸謀監督作品の看板女優だった鞏俐(巩俐 Gǒng Lì、コン・リー)です。

多くの人がそうであるように、私も初めて観た中国映画は張芸謀監督・鞏俐タッグの作品でした。『紅夢』(原題:《大红灯笼高高挂》)という作品だったことを覚えています。

中国で初の4K(4000×2000の解像度に対応する映像)映画だということで、本来なら劇場で観るべき作品だったのですが、タイミングが合わず、自宅での鑑賞となりました。

文化大革命によって引き離された夫婦。

夫の強制労働が終わり、晴れて妻の元へと戻ったとき、妻は記憶を失っていました。

記憶を失うまでの経緯が、一人娘も巻き込んだ悲惨なものなのですが、ここではネタバレを控えます。

妻は自分の帰りを心待ちにしているのに、自分のことは認識してくれず、毎日駅に迎えに行こうとする。

それを近くで見守る夫、なんとかして自分のことを思い出してもらおうと、さまざまな策を講じる。その心情がとても切ない。

ぜひ、静かな夜に部屋を少し暗くして鑑賞してほしい作品だと思います。

セリフはそれほど多くなく、比較的わかりやすいと思いますので、中国語学習者にもおすすめします。

昨年から大学の授業で映画作品を利用した授業をしています。

物語の中で表現に触れ、中国人が話す語調、身振り手振り、表情も含めて言葉を学ぶことで、定着を図りたいという狙いがあります。

そういった目的もあって、最近はまた映画をたくさん観るようになりました。

ここでも追って紹介していくつもりです。

日本で市販されている中国映画のDVDでひとつ不満なのが、中国語字幕が収録されていないこと。

アメリカ映画であれば、最近はほぼ例外なく英語字幕で見られるのですが、中国映画で字幕収録のものはほぼ見かけません。(Amazonのレビュアーさんも同じことを言ってますね)

なんとかならないものでしょうか。

中国語表現メモ

划清界线:境界線をはっきり定める

表态:立場を示す

大义灭亲:正義を前にして家族の情を省みてはならない、大義親を滅す