新しい職場の「はりきゅうルーム カポス」の奥で作業をしていると(何しろ移籍してきたばかりで予約がなく、ヒマなので)、ドアが開く音がしました。
「患者さんかな?」と思って聞き耳を立てていると、入り口の方で「ここに岡本さんという方はいますか」という声がしてきました。
受付にいる同僚の石井くんが対応してくれています。
はて? アポなしでわたしに用事のある方なんて、心当たりが全然ありません。
「配達員さんかな?」
と思って、受付に行ってみました。
すると、
なんとそこには、わたしの恩師の一人である内田慶市先生が立っているではありませんか。
内田先生はわたしが神戸外大1年生のときに関西大学から非常勤講師で教えにこられていて、そのときから仲良くしてくださっている先生です。つまりわたしの“启蒙老师”のお一人。
(良い意味で)ちょっと軽薄なところがあって先生ぶったところが少しもなく、それでいて学識は深く、当時まだ珍しかったネットでの日記もマメに書いているという、かっこいい先生でした。
自分の指導教官であった神戸外大の佐藤晴彦先生と仲が良く、その縁で長期休みには関大の合宿に参加させてもらったりと、たくさん目をかけていただきました。
(他にもいろいろあるのですが、本当に内田先生にはもう本当に「お世話になった」としか言いようがありません)
間違いなく、わたしが中国語を一生懸命に、そして、楽しんで勉強するようになったきっかけをくれた先生です。
今はすでに大学を退職されていますが、中国語検定協会の会長に、研究にと、まったく変わらずお忙しくされているようで、まぶしい笑顔もかつてのままでした。
出張でちょくちょく東京にいらっしゃっているらしく、品川に滞在されているとのことで、わざわざ足を運んで様子を見にきてくださったのです。
学会の話や中検スピーチコンテストの話なども聞かせていただき、束の間、大学生の頃に戻ったような気持ちになりました。
わたしは10月から住む場所も働き方もガラッと変わってしまいました。良い選択をしたと思っていますが、もちろんすべてが思いどおりになるはずもなく、上手くいかないことも多くて、「これから大丈夫かな」と、不安な気持ちになることも少なくありません。
今日も少しだけ落ち込むことがあったのですが、そんな日に、まるでそれを見透かしたかのように、こうして先生がやってきてくれて、励まされた思いです。
内田先生、本当にありがとうございました。