「中国語の文法を基礎から体系的に学びたい」という方におすすめするのがこの一冊です。
初版はなんと1996年。20年目となる今年、新訂版が発売されました。
本文の内容には大きな変化はありませんが、「テープレコーダー」や「同志」など、現在ではあまり使われなくなった単語が別のものに差し替えられたりしています。
例文を見てみると、一着22元だった服が82元に値上がりしたりしていますし、一人っ子政策が解禁されたことなども盛り込まれるなど、社会情勢の変化に合わせて加筆、修正が加えられています。
全35課に分かれ、解答つきのドリルもありますので、少しずつ勉強をすすめるのに向いています。
語り口もわかりやすく、かわいい(ゆるい?)イラストも豊富で、かゆいところに手が届く注釈も随所に挿入されていますので、楽しく学習を進めることができるでしょう。
今回から、版元である同学社のサイトから音声がダウンロードできるようになりました。自習用としてさらに便利になっています。
学校や教室で先生に習っている方でしたら、授業で初めて触れた部分を本書で改めて復習することで、よりいっそう頭に定着させることができるでしょう。何しろ、限られた時間では文法項目のすべてを語りつくすことなどできませんから…
「自由に中国語が使えるようになりたい」という思いがあれば、初級から中級に移る段階で、この本をひととおり仕上げておくと、後の伸びが大きく違ってくるはずです。私は大学1年生が終わった春休みにひとりで読み進めていました。
あれから10年以上の時が経ち、自分が中国語を教える立場になっても、いまだに授業前の予習にはこの本を参照して、自分の知識を確認してから教室に赴いています。
上級になっても、開くたびに新たな発見がありますし、使えば使うほど、よく考えて編まれていることがわかってきます。
もちろん、中国語文法はまだまだ研究が進んでいない部分が多く、説明が尽くせていないところも無数にあります。そういった意味で、一度基本に立ち返ることで、重要な研究テーマを見つける助けにもなっています。
レベルを問わず、中国語学習をするならば必ず持っておくべき一冊であると、自信をもっておすすめします。