当たり前だけれど、門外漢に親切に

最近はナレーションの仕事をしたり、趣味で朗読をしたりしています。そんなわけで、自分で機材を買っていろいろいじったりして、音響の知識と無関係ではいられなくなりました。

いつもはいわゆる「宅録」をしているのですが、この間、クライアントの求めがあって、急遽レコーディングスタジオを使う必要が出てきました。わたしの住んでいるところは都会ではありませんので、それほどたくさんは見つかりませんが、設備とか立地とか、条件に合うところを探し、結果、2軒のスタジオにお世話になりました。

急ぎの案件だったのですが、どちらのスタジオも気持ちよく対応してくださり、素人の自分に親切にしてくれて、プロの方なのに、というか、プロの方だからこそ、というべきか、丁寧にいろいろと教えてくれて、とても勉強になりました。

自分も鍼の患者さんや、中国語の生徒さんで、知識のまったくない方を相手にすることが少なくないので、当然ながら丁寧にやっています。でも、どうしても、自分が詳しい分野では、初心者の気持ちを忘れていきます。鍼やレッスンを受ける側の心細い気持ちをそのまま心の中で再現できるわけではありません。

やっぱり学ぶ側、知識のない側は不安です。「全然わからないので相手に任せるしかない」という感覚は、当事者にならないと身にしみてはわからないものです。

なので、「わからない」という切なさは、買ってでも体感しに行かなければなりません。

今回のスタジオ巡りは、それを再認識させられた機会となりました。やっぱり、自分のテリトリーの外に積極的に出ることは重要です。