1位じゃダメなんです病

一番人気を避けてしまう

何かを選ぶとき、ついつい、一番人気のものを避けてしまうクセがあります。

日本では、東京ではなくて関西に住んでいました。まあ、そこで生まれてしまったのだからそれは仕方ありません。

進学にあたっては、普通の大学ではなくて外国語大学を選びました。そして、大阪ではなく、神戸の方の外国語大学を志望しました。

専攻言語は英語ではなく中国語を選びました。中国語学習がこれほどメジャーになった現在、もし、自分が学生だったら、ベトナム語とかを選んでいたかもしれません。

在学中は、みんなが北京や上海に留学に行くというので、自分は行き先に広州を選び、広東語を学んだりしていました。

大学を卒業した後は中国で働いていたのですが、任地の希望を出すときにも、首都北京ではなく香港を第一希望に挙げ、結果として上海に配属されました。

その後いろいろあって、医療の仕事を志すようになりました。西洋医学ではなく東洋医学を学ぼうと思い、医師ではなく鍼灸師になりました。(医師になる頭脳がなかったともいえるが)

そして今、ちゃんと自分の選んだとおりに社会の端っこの方で生きています。

北関東に引っ越してくるときに車を買いました。もちろん、トヨタではないメーカーの車に乗っています。人には「自分が買わないと潰れるから」などと言ったりしています。

docomoの携帯を持ったことがありません。バンドを組んでいたときはギターではなくベースを弾いていました。

そういえば、Googleで検索をするとき、なぜか無意識のうちに一番上に出てきた結果を避けてクリックしていることに最近気づきました。

競争が怖い

「人の行く裏に道あり花の山」という言葉もあります。あえて人がいないところでポジションを狙う、という「ブルーオーシャン戦略をとっているのだ!」と言えば聞こえはいいですが、その「ブルーオーシャン」でのびのび泳げているかどうか、はなはだ怪しい。溺れそうになったことも何度もあります。

結果として、本気の人たちが多く集まるメジャーのリングに上がることを避けています。もちろん、自分の興味・関心に従った結果としてこうしているわけですが、王道中の王道で本気の競争をして無残に敗れるのが恐ろしい、という感情がどこかにあります。

クラスで一番人気の女の子を好きになったことがないのも、本当は憧れの気持ちを無意識に封印してしまっていただけなのかもしれない。

実は、そうやってわざわざ王道・メジャーどころを避けている人が、一番人目を気にしていたりします。決して「自分の気持ちに正直な、こだわりの人」などではないのです。

たまに王道・メジャーに触れると感動する

そうやってわざわざ細い道を選んで過ごしていても、ときどき流行に乗ってみたくなることがあります。

全米ナンバーワンヒット映画、文句なしにおもしろい。

100万部突破のベストセラー本、ぐいぐい引き込まれる。

大勢の人に選ばれていることの安心感。心地よさ。

なるほど、やっぱり良い。と素直に感じられる。

なるほど、これは支持されるわけだ。と深くうなずかされる。

そうして、時々日の当たる明るい大通りにずりずりと這い出してきて、心地よい空気を吸い込んでは、再び日陰の涼しい場所に帰っていくということを繰り返しています。